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Liva's anything about...?

都内で活動中の本格派アコースティックユニットLivaealのブログです♪

TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ

前回に引き続き、楽しそうな映画を選びました。

今回は宮藤宮九郎さんの脚本・監督作品で話題になった

『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』を。

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好き嫌いは分かれそうな作品ですが、私は結構好きでした。

 

修学旅行で乗っていたバスが事故に遭ってしまった男子高校生・大助。

ふと目を覚ますと、炎が渦を巻く中で人々が

苦しめられている光景が目に飛び込んでくる。

地獄に落ちたと理解するも、同級生のひろ美に

思いを告げずに死んでしまったことに混乱する大助。

そんな彼の前に、地獄農業高校軽音楽部顧問にして

ロックバンドの地獄図のリーダーである赤鬼のキラーKが現れる。

彼の指導と特訓のもと、地獄から現世に戻ろうと悪戦苦闘する大助だが…。

(2016年・日本)

 

宮藤宮九郎さん監督独特の間の取り方や突っ込みなどの

掛け合いのテンポ感が好きです。

永瀬智也さんと神気隆之介さんのやり取りは相当息が合ってます。

 

かなりはっちゃけたコメディ映画なので、

皆さんそれぞれにハジけているのですが、

特に神木さんは一皮むけてるなぁと思いました。

 

「地獄のロックバンド」と言う設定自体、興味津津でしたが、

この映画、ちょっと出てくる人達がもうそれは豪華で。

名前を出せばキリがないけど、憂歌団の木村さんや

ギタリストのCharさん、ラーメンズの片桐さんなどなど…。

クドカンの人脈・人望の広さを感じます。

(この感覚は三谷幸喜さんにも通ずる)

また、音楽やちょっとした動作や道具などにも、

細部にまでこだわりを感じました。

 

まあ、何かと下ネタに走りやすいので、

本当に受け付けない人は受け付けないと思いますが…。

 

それぞれのキャラがかなり立っているので、

観ていて飽きません。 

ある意味キャラのオンパレードです。

 

そんなに真剣に観る映画ではないかもしれませんが、

個人的には時々観たくなりそうな作品だと思いました。

 


『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』予告編

ニューウェーブのギターサウンド後編:実践!

 

どもdeeです。

 

最近、ずっと通ってなかった80年代の音楽について色々調べています。


よく知ったバンドのルーツも「この辺なのかな?」と改めて

色々知るところがあります。

 

当時を知らない自分がギタリスト視点で
前後編に分けてニュー・ウェーブサウンドについてまとめてみます。
前編はこちら。

livaeal.hatenablog.com

 

■80年代のギタリスト事情

①機材の進歩

 70年代から使われてきた機材が洗練されて使いやすく進歩し

 さらに半導体技術の向上によってデジタル技術も普及してきました。

 録音では今までよい安価でマルチトラックを使用することが

 できるようになり、シンセやサンプラー、シンセベースや

 エレクトリックドラムなどのデジタル楽器の発展で

 録音の仕方もラインで録音する方法など新しいテクニックが産まれました。

 カセットテープ→CDと音楽を聴く媒体も発展していき

 サウンド自体が70年代よりHifi化してきました。

 それにより過去より凝ったトリックをつかって音源は作成されていきます。

 

 それをライブにて再現しようとすることで

 スタジオ機材をそのままライブに持ち込むギタリストが増えました。

 高価な機材を冷蔵庫大のラックに積んでライブをするのが

 プロっぽいと認識されていた時期でした。

 デジタルの恩恵を最も受けたエフェクターはディレイ系だと思います。

 今まで不可能だった長いタイムのディレイをフィードバックできるようになり、

 さらにミリ単位までディレイタイムを指定できるようになりました。

 さらにそれをプログラムして複数のパッチを呼び出したり

 ディレイの発展に伴いピッチシフターなどのバリエーションエフェクター

 開発されました。

 

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U2エッジのアンプとエフェクターラック。

 アンプは5台用意され22Uのラックが2列、その上にコンパクトエフェクター

 スイッチングされている。

 

Roland JC-120

 本来ローファイなギタートーンにもサウンドのHifi化の波が押し寄せます。

 ギターアンプといえば基本的に真空管アンプなのですが

 80年代に日本メーカーのトランジスタアンプ、Roland JC-120が

 ニューウェーブ系のギタリストには多く採用されました。

 今更ギタリストならJC-120を使ったことがないって人のほうが少ないかな…。

 JCとはジャズ コーラスの略でジャスコなんて巷では呼ばれてます。

 その名の通りジャズをターゲットにしたクリアなサウンドで

 コーラスエフェクトを標準装備していることが特徴です。

 そのため極力歪みを抑える設計になっており今でもアンプ付属の

 歪みは使えないことで有名!?です。

 しかしニューウェーブにはHifiでクリアなサウンドがハマりました。

 インサートしたエフェクトの効果も明瞭に出力されます。

 (実際には真空管アンプも使われています)

 

・・・長くなりましたが、80年代のサウンドに重要なのは

 「ディレイ/コーラス」というエフェクター

 乱暴な言い方をすればこの二つでかなり当時っぽいサウンドになります。

 

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The Jamポール・ウェラーの右にはRoland JCが。

 そうでもいいですが、昔バンドメンバー募集で「JAMやります」って

 書いてある張り紙が多かったから「パンク流行ってるの?」って思ったら

 Judy and Maryの略称だった...みたいな(^_^;)

 

 

■んで、どうなのよ

 実際のところはどういうわけ?ってなところをイメージ用意しました。

 わかりやすいようにBossで統一してあります。各エフェクトはお好みで。

 繋ぎ順は右からと考えてください。

 

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①オーバードライブ

    ↓

②コンプレッサー(リミッター)

    ↓

③(ディストーション)

    ↓

④ピッチシフター

    ↓

⑤コーラス(フランジャー)

    ↓

⑥ディレイ 

 

①オーバードライブ

 メインの歪みは軽めのほうがいいです。

 クリーンに聴こえてもサウンドに元気を与える(音圧を上げる)ために

 少しだけ歪ませることがあります。

 アンプがツインリバーブなどだとアンプ側で少しだけ

 歪ましておくのもいいかもしれません。

 

②コンプレッサー(リミッター)

 ここでののコンプレッサーは「コンプがかかった音色」を狙って使用します。

 ダイナコンプのような如何にもギター用のコンプが望ましいですが

 キツメにかけると音も引っ込むことがあります。

 音が引っ込むと周りにサウンドが馴染みやすくなりますが

 ヌケを良くしたり、ギター存在感を上げたい場合は

 Attackがコントロールできる コンプを使用すると

 アタックを残し音の引っ込みを抑えることができます。

 

 またオーバードライブの後段に入れておくと

 軽く歪ませた暴れがちなトーンを落ち着けさせます。

 

③(ディストーション)

 ()付きなのは必要なら追加という意味をこめました。

 ここは曲に深い歪みが欲しい場合に使用します。

 

④ピッチシフター

 1オクターブ上をセットしコードやストロークアルペジオ

 弾くと12弦ギターのようなサウンドになります。

 XTCThe SmithsなどUK勢によく見られる使い方です。

 また、デチューン機能を使用するとコーラスの代用になります。

 通常のコーラスと少しニュアンスが変わりますので

 バリエーションに覚えておくといいと思います。

 

⑤コーラス(フランジャー)

 一番の肝であるコーラス。基本かけっぱなし。

 使い方はRateは遅め、Depthは変調しない程度に

 なるべく深めにセッティングしましよう。

 ステレオアウトがある機種ならディレイ後にかけても

 いいかもしれません。

 またコーラスの代わりにフランジャーを使用することも可能です。

 フランジャーの場合、コーラスよりアクの強いサウンドとなります。

 コーラス+ショートディレイのようなサウンドとなります。

 フランジャーは機種によってツマミのネーミングが多いのですが

 所謂フィードバックに相当するパラメータとRateは控えめに

 ディレイタイムに相当するところはショートディレイ感を

 感じられるところまでパラメータを上げます。

 フィードバックを上げるとジェットサウンドになってしまうので

 気をつけましょう。

 

⑥ディレイ

 ディレイの場合は複数のセッティングを使用するため

 プログラム可能なものだと便利です。

 ■スラップバックエコー

  ディレイタイムを20ms~40msでフィードバックを少し上げると

  レトロなエコーサウンドが得られます。

 ■ダブリング

  ディレイタイムを5ms~25msにしてフィードバックは0にします。

  ステレオ出力が可能ならば原音とディレイを別々に振って

  アンプのセッティングを変えても面白いです。ディレイ側は

  高音をおさえたEQにします。

  またマルチタップディレイならばLRで違ったティレイタイムにすると

  サウンドが広がります。

 ■テンポディレイ

  曲のテンポに合わせてディレイタイムを合わせます。

  ミュートした単音弾きで付点8分音符になるようなセッティングにすると

  ポリスやU2で聞けるようなサウンドオンサウンドを得られます。

  またジャラーンと白玉コードを弾くときに4分音符、8分音符に

  ディレイタイムをセッティングすると音が広がります。

  テンポを事前にプログラムしてもいいですし、タップで

  テンポ入力できる機種ならバンドの演奏に都度マッチしたプレイが可能です。

 

最後にギターについて。

クリーンなトーンだとストラトなどのシングルコイルのギターのほうが

有利そうですが、エフェクターをかけっぱなしにするサウンドだと

音が細くアタックが耳に痛いことがあります。

割とハムバッカーのギターのほうがクリーンが暴れないことが多いです。

また、エフェクターを多段で繋ぐ為、ノイズ対策として

アクティブP.Uを使用することが当時流行りました。

ただあまりニュー・ウェーブのギタリストでEMGを積極採用していた人は

いなかったと記憶してます。どちらかというと

アメリカのアーティストやLAのスタジオミュージシャンが積極利用していたでしょうか。

 

 

 

長くなりましたが、上記を実践してみたサウンドを実際に作ってみました。

ディレイのセッティングはフィードバックは0で

付点8分音符になるようにしています。

アンプ(シミュレーター)はJC120を使用してます。

 

昔は冷蔵庫のようなラックを組んでサウンド作りしていたようですが

今は半導体の発展のおかげでZoomやBossのような安価な

マルチがあれば一台でこのようなサウンドが作ることも可能です。

(ちなみにDeeのお勧めとしてはコーラス/ディレイはTC Electonicかなー)

 

動画のようなサウンドを出したい方は参考にどうぞー。

ではでは。

あやしい彼女

先週は重い映画が続いたので、楽しそうな映画を観たくなりました。

今回は韓国映画のリメイク作品『あやしい彼女』。

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正直そんなに期待していなかったのですが、

思いがけずとても良かったです。

 

女手一つで娘を育て上げた73歳の瀬山カツは

頑固でおせっかいな性格のため、周りからは敬遠されがち。

ある日、ふと入った写真館で写真を撮り店を出ると、

20歳のときの若々しい姿のカツになっていた。

カツはヘアスタイルやファッションを一新、

名前も節子にし、人生を取り戻そうと決意。

その後、のど自慢大会で昭和歌謡を歌ったことから…。

(2016年・日本)

 

序盤から楽しく、テンポ感も良かったので観やすかったです。

倍賞美津子さんが、こんな役をされるとは意外でした。

そのイメージが強すぎて、多部未華子さんじゃ

パンチ力に欠けるのでは?などと余計な心配をしていたのですが、

多部さんもいい味出していました。

この映画で彼女の幅がまた広がったのではないでしょうか。

 

歌を歌うシーンでは、圧倒的な歌唱力があるわけではないけど、

透明感のある声がきれいで聴きやすかったです。

 

コメディタッチの見やすさの中に、母娘・母息子の愛など、

泣けるポイントも絶妙に入れ込んできて、ニクイ演出。

個人的には小林聡美さんがとても良かったです。

彼女の存在や演技力がこの映画の要所要所にかなり効いています。

 

ハートウォーミングで、爽快感のある楽しい映画でした。

 


映画『あやしい彼女』予告編

ニューウェーブのギターサウンド前編:ニュー・ウェーブとは?

 

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どもdeeです。

 

最近、ずっと通ってなかった80年代の音楽について色々調べています。


よく知ったバンドのルーツも「この辺なのかな?」と改めて

色々知るところがあります。

 

当時を知らない自分がギタリスト視点で
前後編に分けてニュー・ウェーブサウンドについてまとめてみます。

 

■ニュー・ウェーブとは?

ニュー・ウェーブとは、あるジャンル、文化において、集団で登場する新潮流の作者、作品群の総称とのこと。
音楽のジャンルとしてはパンク後70年代末期から80年代にかけて発生したムーブメントとされていて
多数のバンドがより自由に新しい音楽を模索していっておりました。


ロックの歴史でいえば、70年代にロックはどんどん巨大化し、コンサートの規模も、
技術も、質も、これ以上ないという域に達していました。

そこでカウンターカルチャーとして登場したのパンクでした。
セックスピストルズの成功をみた若者達は「自分にもできる」と次々とバンドが結成されていきます。
彼らは音楽的な素養がない素人が多かった反面、
70年代の音楽を否定し新しい音楽/文化を自分達で作る野心に燃えてました。
レコード会社はそこに目をつけ新しい商業音楽として
ニュー・ウェーブまたはニュー・ロマンティクスと呼ばれ、新たなるジャンルを確立しました。

ニュー・ウェーブは音楽的にも新しい側面が充分にありましたが
なによりファッション、そしてMTVと結びついて新たなる文化を創っていったのです。

(物心ついたときには既にMTVがあった環境なので今まで意識したことがなかったのですが・・・。)

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多数のバンドがより自由に新しい音楽を模索…といいましたが
幾つか特徴があります。
特に80年代に入ってからが顕著ですが、機材の進化が進み
70年代にはなかった楽器が登場し積極的に取り入れていった背景があります。

そのためシンセや多重録音のためのマルチトラックレコーダー
さらにはロングディレイやリズムマシンなど、エレクトロなサウンドが
好んで使用されました。

そのためラインで録音する機会が多くなりリバーブも実際ある空間の
シミュレートというより、より人工的なサウンドをクリエイトするために使用されます。

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自分の好みも入ってますが、ニュー・ウェーブ…と聞いて連想する楽曲を挙げてみましょう。

 

U2
言わずと知れた超メジャーバンド。ギタリストEdgeのサウンドはポリスのアンディ・サマーズに影響を受けたといわれ
この曲とポリスの「見つめていたい」のギターサウンドはよく似てます。

 

Public Image Ltd
セックスピストルズ解散後にボーカル、ジョニー・ロットンジョン・ライドンと改名。
パンクのカリスマがより自身の音楽を正直に表現しました。この曲にはスティーブヴァイが参加したとか。

 

The Smiths
ギターポップバンドで同時期に他バンドに比較してシンセサウンドがありません。
ブリットロックやグランジに影響をあたえたとか、80年代の日本のバンドやスピッツあたりにも影響を感じます。

 

 

 XTC
The Smithsよりさらに捻くれた感じですが元々ニュー・ウェーブとは彼らの音楽を表す音楽として表現されたとか。
やはり80年代の日本のバンドに強く影響を与えたようです。

 

 Duran Duran
80年代中盤からシンセポップ的な楽曲ばかりになります。ドラムもエレクトロパッドを使用したり。
そのなかでもDuran Duranはアイドル的なルックスと音楽的な実力も兼ね備え成功したえバンドとなりました。

 

 次回、後編では具体的なサウンドメイクについて考察していきます。

 後編はこちら。

livaeal.hatenablog.com