ニッチなギターテクニック練習研究(005):アコギ用のピックアップとエフェクター
どうも、deeです。
今回はアコギ用の機材の話をしようと思います。
エレキギターの場合、サウンドデザインは楽器の作り手によって
結構厳密に成され、割と迷いなくサウンドを作ることができます。
ギターとアンプによってサウンドの作りはほぼ完結しており
そこにスパイスを加えるのにエフェクターをつかう。。。
なのでライブハウスが違うとしてもいつも使ってるギターとアンプで
いつものようにセッティングすることで
安定したサウンドを得うることができるわけです。
ではアコギの場合、どうでしょう?
実は音を拾う環境から音をアウトプットする環境に至るまで
様々なバリエーションがありいまでも王道のスタイルができていない
・・・それが実情だと思います。
■アコギ用ピックアップ
ピックアップ(以下PU)はギターの音を拾うマイクのことです。
大きく分けて以下、種類に分かれると考えてます。
左からマグネット、ピエゾ、マイク。
・マグネティックPU
エレキギターと同じ方式で磁石によって弦振動を拾う
構造になっております。
マイク自体の音に個性があり構造によりサウンドに差があります。
低音弦の音は小さくなりがちですが、生の音で聞くと
小さくなりがちの高音弦の音を前に出してくれます。
・ピエゾPU
振動を拾うピエゾ素子をつかったPUです。
素子自体の構造や貼る場所によって音を拾う感度や
音質が異なります。マグネティックより音自体は自然に拾う反面
ピエゾ自体のクセも強いため、所謂「ピエゾくさい」音になりがちです。
エレアコによく採用されている構造はインブリッジピエゾ方式。
ブリッジサドルの下に棒状のピエゾが装備されている方式です。
弦の音を明瞭に拾いますが、ブリッジ下にあるため固めの音となります。
ボディの任意の場所に貼る方式はコンタクトピエゾ方式。
ボディの振動から音を拾うので弦の音が小さくなりがちです。
・マイク集音方式
そのままマイクで音を拾う方式になります。
サウンド自体は空気間も含め自然に録れますが、ステージ上で使うと
ギター以外の音も感度よく拾ってしまうため
ハウリングの心配があるほか、ギターに対するマイクの向きにより
サウンドが劇的に変化します。
昨今ではその使用用途やプレイスタイルにより
この3つのどれかを採用する、もしくは2個以上の方式を合わせて使用する
のがポピュラーなようです。
しかし王道のスタイルができないのはこの3種の方式には
それぞれ大きなデメリットも抱えています。
マグネット:弦振動のみを拾うためアコギの音の立体感や自然な弦の減衰を再現することができない。
ピエゾ:ピエゾ自体にサウンドにクセがあり高音が強調されたサウンドとなってしまう。貼り付け位置によりサウンドが劇的に変わる。
マイク:他の楽器がいる場合に集音のカブリの心配がある。PAの音を拾ってフィードバックしてしまう。
マイケルヘッジスが示した形はマグネットとピエゾの併用でした。
ヤマハなどは新しい集音システムを積極的に開発してますが
まだなかなかスタンダードには成り得ていません。
PUの自作を試みている人もいるようです。
ピエゾは割りと安価で容易に自作できますが
インピーダンスが超高いため、楽器に使うように
サウンドデザインすることが大変です。
■アコギ用エフェクター
アコギ用のエフェクター。
基本的にはエレキやらと変わりませんが
プリアンプだけは別に考えなければなりません。
エレキの場合、音の歪みも含め
「エレキギターとはこう鳴らすもの」という
サウンドデザインのもとに設計されてます。
上記PUでは「アコギの自然な鳴り」というを再現することは
無理があり、音量を増幅した前提でのアコギのサウンドを作る為の
プリアンプが必要となります。
プリアンプもただ音量を増幅するためのものや
音質を積極的に変えたり、イコライザーなどが装備され
音作りを劇的に変えるものもあります。
このプリアンプも王道と呼べるものがなく
各メーカーがしのぎを削っている中、
どのようなプレイスタイルでも問題ない・・・というプリアンプが
ない状態です。
その他、使用されるのはコンプ/リミッター、ディレイ/リバーブ/コーラスあたり。
これという決まりはないため好きなように使用してみてください。
個人的にはアコギを弾くときには、それなりの質のコンプ/リミッターとリバーブの
入ったプリアンプを用意しておくことをお勧めします。
■使い方によって分かれる機材選び
どのようにアコギを使うによって機材の選び方が異なってくる、
それがアコギの機材選びの難しいところです。
・特殊奏法などはやらない弾き語り派
トーンなどにこだわらず、あくまで歌に対する伴奏として
使用するのみであれば普通のエレアコで問題ないと思います。
タカミネ、オベーション、ヤマハなどのすでにプリアンプが搭載されて
おり中にはリバーブ、チューナーまで装備しているタイプもあります。
下はタカミネのデジタルプリアンプ、AD-1。
EQやリバーブ、チューナーの機能を持つ多機能プリアンプ。
・ボディを叩いたり、特殊なサウンドを出す派
ボディの叩く音の好みと弦の音の好みを両立されるためには
ハイブリッドなPU、プリアンプ構成をお勧めします。
比較的安価にハイブリット構成にできるのが
SkysonicのPUです。関連記事を記載しておきます。
各メーカーハイブリットタイプは少なく、
より好みの音を追求するとなると独立してピエゾとマグネット、
マイクを用意する必要があります。
プリアンプも別途用意する必要があります。
自分はTC-HeliconのPlay Acousticを使用してます。
ライブ時にトラブルを少なくするため、なるべく
一台で音作りが完結するプリアンプが好みです。