チキンとプラム〜あるバイオリン弾き、最後の夢〜
『チキンとプラム』、バイオリン弾きの物語ではありますが、
音楽を演奏しているシーンはほとんどありませんでした。
DVDを見て借りたので、色んな意味で意外でした。
愛用のバイオリンを壊された音楽家ナセル・アリは、
代わりのバイオリンを探したが見つからず、
とうとう死ぬことにした。
ベッドに横たわったナセル・アリは人生を追想する。
修行の日々から人気者だった時代、
大好きなソフィア・ローレンとチキンのプラム煮、
そして成就しなかった恋。数々の思い出がナセル・アリの脳裏によみがえる。
(2011年・フランス・ドイツ・ベルギー)
「代わりのバイオリンが見つからないくらいで
何も死ぬ事はない」と思うんですが、
その自殺の方法も、痛みがなるべく少ないのを、と
寝て死のうと決意したナセル・アリ。
いや、人は健康状態でも寝ているだけで死ねるのかなぁ…
とか思いつつ。
フランス・ドイツ・ベルギーの共同制作ではありますが、
私が思っているフランス映画っぽくは全くありません。
ナセル・アリの自殺方法からして滑稽なんですが、
その表現方法もとてもコミカルです。
ただ、個人的には場面転換が多くて
ちょっとついていけなかった所も正直あります。
(フランス語だと字幕を追うので一生懸命な所があるので)
話が進むに従って「ああ、そういう事だったのね」と
思うところは多々ありますが、
何と言ってもナセル・アリが自分勝手です。
まあ、そんな自分勝手なナセル・アリだからこそ
ちょっとずつ愛着が湧いてくるものでもありますが。
多分、一回観ただけじゃこの物語の本質は
分からないんじゃないかと思います。
描かれている部分より、描かれていない部分の方が
とても重要だと思うし、
何より、バイオリンを弾いているシーンを
もうちょっと盛り込んで欲しかったかな。