SHIINBLOG

Liva's anything about...?

都内で活動中の本格派アコースティックユニットLivaealのブログです♪

永遠のマリア・カラス

マリア・カラスが生きた時代も知らなければ

オペラの世界もほとんど知らない私ですが、

今週はマリア・カラスの映画を2本。

今回は『永遠のマリア・カラス』。

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私は現代に生まれて生きている人間なので、

こういう時代の人を見ると本当に色んな感情が湧きます。

 

20世紀のオペラ界で、その美声と美貌から名を馳せたマリア・カラス

だが、彼女は今ではその歌声も失い、

愛するギリシャの大富豪オナシスも亡くして失意の中、

パリで隠遁生活を送っていた。

そんなカラスのもとにある日、彼女のかつての仕事仲間ラリーが訪ねてくる。

彼は何やら企画書を持参していた。

それは、カラスの全盛期の録音を用いて

彼女が主演するオペラ映画を製作するというもの。

最初は戸惑い、そのオファーを拒否するカラスだったが、

次第に彼女の中であの頃と同じ情熱が甦ってくるのだった…。

(2002年・イタリア・フランス・イギリス・ルーマニア・スペイン)

 

絶頂期の声と今の声の違いを自覚したカラスに待っていたテクノロジー。

そのテクノロジーが出てきた時代だったからこそ、

“現代”とは全く違う悩みだったんだろうし、

その思いは推し量れません。

(全編を通して、私が好きな『カルメン』だったから

 色んな部分に目を奪われてしまいました)

 

私はCDやDVDを観聴きしている時代に生まれて、

それが当たり前の世の中だから、

何が正しくて何が間違っているのか、

もうこの際何とも言えない部分もあります。

あらゆる「当たり前」が上っ面ばかりの輩で

塗りたくられている事実も知っていながら、

やっぱり「本物」を求めている。

それは結局、時代も何もかも越えて「本物」は正しいから、

それに尽きるんじゃないかな、と。

 

この身体、この声で何を表現できるのか。

それはその時々によって違います。

声が衰えても、その表現力は個々によって違うものだし。

 

カラスはそこで自分のさだめを終えたかもしれないし、

それが正しかったのか間違っていたのかは分かりません。

でも、少なくとも私はこの映画の中で

「本物」や「幸せ」とは何なのか、を考えさせられました。

 


Callas Forever Trailer