エール!
今週は計らずも借りたDVDがどちらも
家族をテーマにした音楽映画でした。
今回は着目点がユニークだった『エール!』。
「フランスの音楽映画」とも言えば
何となく上流階級の香りがぷんぷんするものですが、
この作品は全くそんな偏見のない作品でした。
フランスの片田舎の農家であるベリエ家は、
高校生の長女ポーラ以外、全員が聴覚障害者。
ある日音楽教師トマソンに歌の才能を認められ、
パリの音楽学校で行われるオーディションを勧められたポーラは
喜ぶものの、歌声を聴けない家族から反対される。
家族のコミュニケーションに欠かせないポーラは、考えた揚げ句……。
(2014年・フランス)
演出方法がとても斬新で良かったです。
障害を扱うと言う事もあって、
繊細になりがちな所をコミカルに表現していて
そこにまた奥深さを感じました。
歌を含め、音楽と聴覚と言うのは結びついていて当然なのに、
そこを絡めてくるのが興味深いところでした。
耳は聞こえなくても伝わるものがある、
何を伝えたいのか、誰に伝えたいのか、
その存在が明確であればあるほど
響くものがあるのかも知れません。
耳の聞こえない両親に、どうやって「歌いたい」と伝えるか。
家族の要だった自分が、どうして家族と離れられるか。
いや、それはもしかしたら…
何よりも、この家族が明るくて陽気で、
愛に溢れていて、とっても素敵です。
ただ、歌を歌うシーンは期待してたほどありません。