ラストコンサート
前回『グランドフィナーレ』を観て思い出したので、
今回は『ラストコンサート』。
主人公ステラ役のパメラ・ヴィロレージの透明感とキュートさが
何ともたまりません。
人生に挫折し落ちぶれている作曲家は、
ふとした事から一人の少女と出会うが、
彼女の体は病魔に冒されており後三カ月の命だった。
懸命に生き抜こうとする少女と再起に賭ける男、
親子ほどの年齢差を越えたふたりの交流を、
ステルヴィオ・チプリアーニの
美しいメロディに乗せて描いたラブ・ストーリー。
(1976年・イタリア)
きっかけは本当に些細な事なんだけれど、
そんな些細なきっかけさえも大きな奇跡として映ります。
幾重もの奇跡が重なって奏でたストーリーです。
得てして若い時の方が正しい判断を出来ていたのかもしれない。
年齢を重ねる上で、考え方や感情が歪んでしまうんじゃないかと
考えさせられます。
何かを得る事は何かを失う事に通ずるのだけれど、
でも「この手にしよう」と思う事がどれだけのエネルギーに
なってくれるか、そこに踏み切る一歩が大切なのでしょう。
たった数ヶ月でも、得ようと望めば手に出来ることが
沢山あるのだから…。
“生”とは一生懸命なもので、
精一杯に応えられるのはやっぱり精一杯なんだと思う。
それこそが、“心”に訴えかけるものなんだと思わせる映画でした。
また、ステラの儚さと音楽の美しさが相まって、
美しくも切ない旋律となって印象に残ります。