【ギター】Schecterの悲しき物語
どもdeeです。
結論から言うと
「名前だけが残ったが、始まりと現代であまりに形が違うのは切ない」
という話。
Schecterの8弦ギターを手に入れました。
8弦ギターのレビューは今度じっくりやろうと思ってます。
実はSchecterのギターは2本目です。
下の写真をご覧ください。
右側は今回手に入れた割と最近のシェクター、モダンなデザインです。
左側は90年代のシェクターです。左側はダブルネックですが
デザイン的には伝統的なストラトシェイプです。
ヘッドにはどちらにもSchecterの文字は入ってますが随分雰囲気が違います。
Schecter Guitar Research・・・その会社は1976年にデヴィッド・シェクターによって設立されました。
設立当初は質素なリペアショップで交換用のネック、ボディ、ピックアップ、ブリッジ、
ピックガード、ペグ、ノブ、ポテンショメータ、その他様々なギターパーツを製造したとされてます。
結局、ギターを作るのに必要なすべてのパーツを製造するようになり、
これらの部品はフェンダーやギブソンといった大メーカー、
またはシェクターのパーツでギターを組み立てる小規模なカスタムショップへと供給されたとのことです。
1970年代後半までに400種類以上ものギターパーツを供給したが、完成品の楽器を供給することはありませんでした。
1978年にはムーンギターズがシェクターから卸したパーツを日本で組み立ていたと言われます。
1979年からギター製作を始め、The whoのピート・タウンゼントや
ダイアー・ストレイツのマーク・ノップラーらが使用しました。
1983年、ギターの評判は上場でしたが、人気の一方で生産能力は限界に達し
需要に応じることができない状態となってしまいました。
そんな折、シェクターの名声に目をつけたテキサスの投資家グループが
シェクター・ギター・リサーチを買収、創業者であり社長であったデヴィッド・シェクターが解雇されました。
当時シェクターで働いていて、後にハイエンドカスタムギターで知られる
トム・アンダーソンをはじめとする従来からの従業員たちは買収後、シェクターから離れていきました。
こうしてシェクターは興された当時とはまったく別の会社となってしまいました。
その為、貧弱な商品デザインしか生まれず新しいテキサスのオーナーの元でギターが生産されたのは5年未満だったと言われています。
1987年、テキサスの投資家グループはESPオーナーで渋谷尚武さんにシェクターを売却します。
前出のムーンギターズもESPからの独立メーカーなのでESPとの関係は元々深かったのかもしれません。
渋谷さんがオーナーになったあと生産ラインこそESPと分け合いますが、メーカーとしては独立した別会社として
存在しつづけました。
渋谷さんの元、シェクター本社を元々の事業開始の地、カルフォルニアにシェクターUSAのカスタムショップも設立します。
1990年、シェクターはESPの子会社化。1996年にはそこで働いていたマイケル・シラヴォロ氏が社長に就任します。
ESPが生産していたシェクターギターはハイエンドのフェンダー系のトラディッショナルなスタイルが多かったのですが
新社長はそのデザインを好まず、ハードロック/ヘヴィメタルに特化したデザインの商品を展開します。
シェクターは日本法人と米法人が完全に独立しており、世界に商品を供給するのは米法人となります。
米法人の生産体制はハンドメイドギターを提供するカスタムショップと、
アジアでパーツを生産、本国で組上げを行うダイヤモンドシリーズの2局化となります。
ハイエンドで高価なイメージだったシェクターは、若いミュージシャンにも手に入れやすい価格で提供できるようになりました。
米法人のシェクターギターは90年代までのシェクターとはデザインが全く違うものになっています。
それに対し日本法人は90年代のシェクターデザインを踏襲したモデルを現在も発表し続けています。
しかしシェクター日本法人のギターは米国には卸されていないようです。
旧来のシェクターファンは最近のモダンでクセのあるデザインを
受け入れられない人もいるようです。
ちなみに現在のシェクターギターの代表的なCシリーズのデザインは
ESPのホライズンとよく似ています。
●Schecter Cシリーズ
●ESP HORIZON
創設者のデヴィッド・シェクターは自身の銘が乗った今のブランドに
何を想うのでしょうか。
個人的にはクセがありありの現代のシェクター、
デザインとして若干の中二感があるものが多いので慎重に選びますw
あとシェクターオリジナルのピックアップのクセだけはちょっと受け入れられません。
しかしアイバニーズに匹敵する弾きやすさです。