禁じられた歌声
意図したわけではありませんでしたが、
タイトルに「歌声」がついた映画を続けて観たので、
今週はその二作品を紹介します。
今回はイスラム過激派に支配された生活を描く『禁じられた歌声』。
普通の生活の中では全然知りようのない世界を垣間見る事が出来て、
また一つ、世界の広さや色んな問題を考えるきっかけとなります。
キダンは妻サティマと娘トヤ、そして12歳の羊飼いの少年イサンと、
ティンブクトゥ近郊の街で幸福に暮らしていた。
だが、その街はイスラム過激派に支配されて以来すっかり様変わりし、
人々の間に恐怖がまん延する。
住人たちは音楽やサッカーなどを禁止した、
過激派が作ったルールを押し付けられ、不自由な毎日を送ることになる。
(2014年・フランス・モーリタニア)
そのタイトルの通り、音楽も何もかもを禁じられた世界で、
あまりに静かに苦しい時間が映し出されていきます。
音楽やスポーツなど、あらゆる楽しみを奪われた先には、
やっぱり人間的ではない残酷さを感じずには得ません。
規律の上での縛られた生活の中でも、
近隣者といさかいが起こるというのは
悲しすぎる人間の業をも感じます。
魂の叫びとも言える音楽すら禁じられ罰される。
こんな世界で、一体魂はどこで解放されるのか。
本当に胸が苦しくなりました。
また、どんな状況下でも、親の愛というのは共通するし、
それが人の心を打つというのは変わらないんだなぁと実感。
イスラム教徒が今どんな環境下にいるのか。
その断片でも知ることが出来る
こういう映画や作品はやっぱり大切だと思いました。