ブランカとギター弾き
さて、GWがやってきました。
そこで今回の『音楽映画』はGWに時間が出来た方に是非おススメの作品を。
今日は悲しくとも温かい、胸に響く『ブランカとギター弾き』。
公開中に興味を持った作品で、結局DVDで鑑賞しましたが、
これはかなり当たり映画でした。
フィリピンのマニラ。
親を知らずにスラム街で生活してきた少女ブランカは、
欲しかった母親をお金で買おうと考える。
ある日、彼女はピーターという盲目のギター弾きと知り合う。
ピーターから得意な歌でお金を稼ぐように勧められて、
彼の演奏をバックにレストランで歌い始めるブランカ。
順調に物事が進んでいるかのように見えたが、
その裏でブランカの身に思わぬ危機が迫っていた。
(2015年・イタリア)
着眼点がまず素晴らしい。
真っすぐで強いブランカの瞳と透き通るようなキレイな歌声が心に残ります。
哀愁漂う曲調の音楽も好みだし映画の印象をより深くしていました。
悪意はどこで生まれてしまうのか。
それ自体悲しい事なのに、それを行為としてなすタイミングも、
全てがその瞬間に変わってしまう事実もやるせない。
言葉が力になるのは、いつどこからだろう?
言葉も何もかも力を失ってしまうのは?
そしてお金が力になるのは…?
力を持たない二人が描く、その奥にある力を感じました。
悲しいのは、純粋な想いが何にも抗えず
その罪に飲み込まれてしまう事なのかもしれません。
そして、答えを示せる大人がいない現実もまた。
絶望の中で変わらず漂うギターの旋律が胸に響きます。