ジェームス・ブラウン~最高の魂を持つ男
昨日はQUEENの伝記映画を紹介したので、
今回はファンクの帝王と言われたジェームス・ブラウンの伝記映画、
『ジェームス・ブラウン~最高の魂を持つ男』を。
ミック・ジャガーがプロデューサーを務めています。
個人的には音楽伝記映画でトップ級の作品でした。
親に捨てられ、劣悪な環境で育ったジェームス・ブラウン。
その後、窃盗の罪により刑務所に入れられてしまうも、
無二の親友と出会い、出所後は音楽の世界へ進出。
少しずつヒット曲も生み出し、ブラウンの名は次第に世間に広まっていく。
(2014年・アメリカ)
全体的に、音楽も良いしダンスも良いし、見どころ満載な作品でした。
黒人としてのプライドやこだわりを人一倍持っていて、
それを大事にしていたのがすごく分かります。
また、その感覚がどこから現われたのかもちゃんと描かれていて
より興味深い作品です。
元々強い人なんてもしかしたらいなくて、
色んな過程を経るからこそ強くなるんだと思います。
そうやって受け継いで、伝えていくのが人間なのかもしれません。
自分が受けた痛みがあってからこその
「強さ」や「自信」「プライド」が培われていくんでしょう。
前に進むには、どんなに大切なものでも捨てなくちゃいけないものがある、
というのも身に沁みる教訓です。
音楽的なものも面白かった。
『グルーヴ』の定義は素晴らしかったし、
どんな楽器でも『ドラム』になる、という感覚はなるほどと思いました。
人がいるからこそ感じる「孤独」、本当の「別離」。
どこまで突き進んだとしても、ぶつかる壁がある。
突き進んだからこそ。その壁は高くて強靭なのかもしれません。
「自分を奮い立たせる」。そうしないと出来ない事も。
そういう正直な視点で描かれていて良かったです。
与えられた力は多くの人が持っていたとしても、
それを確実な力や形に出来る人は本当に限られています。
JBはそれをやり遂げた人なんだって、改めて感じました。