天使にショパンの歌声を
ちょっと間が空いた音楽映画、図らずも平成最後の更新となりました。
そんな今週はピアノが聴きたくなるような二つの作品を紹介します。
今日は時代と音楽を考えさせられた『天使にショパンの歌声を』。
タイトルに「歌声」とついていますが、歌は関係ありません。
1960年代、カナダのケベックにある寄宿学校。
音楽コンクールの優勝者を輩出したこともあるが、
修道院による運営が見直され閉鎖の可能性が出てきた。
校長のオーギュスティーヌは音楽の力で世論を動かし、
学校を存続させようと考えていた。
一方、転校生でめいのアリスはピアノの才能がありながら、
誰にも心を開かず問題ばかり起こす。
(2017年・カナダ)
全体的に、奏でられている曲が美しいのが印象的でした。
作曲家ごとの音楽性の違いにも触れられていて興味深いです。
修道院というと私達には身近じゃないし、
想像の範疇を超えない部分を多々感じますが、
音楽を愛した上での教育の素晴らしさを感じずにはいれません。
勿論私自身が音楽好きというのもあるけれど、
音楽によってもたらされる繋がりや協調性はやっぱりあると思います。
ただ「厳粛」で「綺麗」なものだけが良きものだとは思ってないので、
その辺りの線引きは明らかに違いましたが。
(でも同じ「音楽」に共通するもの、
接点は色んなところにあるんだと感じさせてもくれました)
時代と共に移り変わるもの…。
それは「変わった後」を知ってる立場からすると
「当然」の事のように思ってしまう事が往々にしてあるけれど、
その時代時代を生き、歴史を少しでも変えたり動かしたりするのは
とても大きな事で、それらが「今」を作る一つの土台になっている事を
こういう作品に触れて知る事が出来るのはありがたいです。
久々にショパンの“別れの歌”を聴きたくなりました。