羊と鋼の森
昨日に引き続き、思わずピアノが聴きたくなる作品を。
今日は調律師に焦点を当てた『羊と鋼の森』。
意識して観たわけではありませんが、
この映画を観た後にピアノのリサイタルに行き、
本当にとても良いタイミングでした。
ピアノを多角度から捉える事が出来ます。
北海道育ちの外村直樹は、高校でピアノの調律師・板鳥宗一郎と出会い、
板鳥の調律したピアノの音色がきっかけで調律師を目指すことに。
やがて板鳥のいる楽器店で調律師として働き始め、
先輩に同行した仕事先で高校生の姉妹ピアニスト和音と由仁に出会う。
(2017年・日本)
「調律師」
その視点がまず素晴らしいと思います。
そこは、すごく深くてコアな世界。
だからこそ知る、音の広がり。
そして人それぞれの好みと響き…。
「絶対」なんて、それこそないんだなと感じさせられます。
演奏される曲もとても良かったです。
ピアノの響きはそれだけで好きなんですが、
そこに人の手が入るからこそまた良いんでしょう。
こういう世界にこそ「ストイック」という言葉が
すんなりと響いてきます。
原作者から監督、演者…。
この映画を作った人の「ピアノ」に対する、
そして「音」に対する愛を感じる作品でした。
山崎賢人さん主演の作品では一番好きです。
ピアノ音と森の静けさを繋げる感覚も共感するし、
目を閉じて「自然」と「音」に耳を澄ませたくなります。