北京ヴァイオリン
今週の音楽映画はヴァイオリンを主役にした2作品をご紹介。
今日は久しぶりに観た中国映画、『北京ヴァイオリン』。
アジアの音楽映画も観たい作品はいくつかあるんですが、
あんまりレンタルされてないのが残念。
中国北部の田舎町。13歳のチュンは父と2人暮らし。
チュンは、彼が幼いころに亡くした母の形見である
ヴァイオリンを上手に弾き、周囲で評判になっていた。
父リウはそんな息子に質の高いヴァイオリンの教育を受けさせ
一流のヴァイオリニストにしてあげようと、必死に働き金を貯めていて。
(2002年・中国)
登場人物の一人一人に共感出来る部分が多かったです。
俳優陣も体当たりしている感じがすごく伝わってきたし、
特にお父さんの純粋さが愛おしいくらいでした。
それゆえの「父のプレッシャー」も、分かる気がする。
音楽は感情を揺さぶるものだと知りながら、
感情を揺さぶる音楽をし続ける事の難しさも感じます。
「寡黙な饒舌」という言葉が頭を過ったのですが、
社会を生きるか、自分を生きるか。
それは音楽だけに限らず、あらゆる人の課題なのかもしれません。
何かをする時に「誰かの為」を思う。
それはどこかで絡み合ってしまう事が多くてもどかしいですが、
だからこそ真実を知った時の感動も一塩なんでしょう。
形はいくらだって「偽物」を作れる。
でも「本物」は誰かと共に創り上げるものなのかな、と感じました。
ヴァイオリンの音色も素敵でした。