マダム・フローレンス!夢見るふたり
今週の音楽映画は以前紹介した『偉大なるマルグリット』と
同じ方をモデルにした『マダム・フローレンス!夢見るふたり』。
二つの作品を観ると、より感慨深くなりました。
こちらの作品の方が大分コミカルです。
ニューヨーク社交界のトップとして華やかな毎日を送る一方、
ソプラノ歌手を目指して活動しているフローレンス・フォスター・ジェンキンス。
しかし、その歌唱力は音痴というしかないレベルであった。
夫シンクレアは、マスコミを買収したり、
理解者だけを集めた小規模なリサイタルを開いたりと、
病を抱えながらも夢を追う彼女を支えていた。
そんな中、フローレンスがカーネギーホールで歌いたいと言い始め…。
(2016年・イギリス・フランス)
何と言ってもメリル・ストリープとヒュー・グラントの表情や演技が
面白くて引き込まれました。
二人の役者魂をひしひしと感じます。
音痴役を演じるのも難しいと思いますが、
喋り方のトーンから声の使い分けなども細かく変えていて感心しました。
とは言え、社交界がこんな風に回ってると思うと複雑な気持ちになります。
『偉大なるマルグリット』を観た時も思いましたが、
ちょっと悲しくも感じてしまいます。
どこからが「喜び」で、どこからが「悪意」になるのか、
その線引きって何なのだろう…。
でも、どんな状況であっても周囲をコントロールしようと
してくれる人がいるというだけで、素晴らしい事なんだと感じました。
個人的にはピアニストのマクムーンがツボ。
俳優陣には魅せられました。