私の人生なのに
ただでさえ「こんなはずじゃなかった」と思う事は多いのに、このコロナ禍。
日常が「こんなはずじゃなかった」事だらけです。
この映画を観たのはちょっと前ですが、今だからこそ思える部分もあります。
自粛要請だし、映画も観る機会が増えるかなぁ。
新体操のオリンピック候補として目される金城瑞穂は、
日々練習を重ねてきたが、ある日脊髄梗塞を発症する。
半身不随になってしまい車椅子の生活を余儀なくされた彼女は、新体操を諦める。
絶望に打ちひしがれる中、ひょんなことから音楽の素晴らしさに気付き、
アコースティックギターを手に、自分を受け入れながら音楽の道を進んでいく。
(2017年・日本)
「何か一つ」はとても大事だけど、そうじゃない事も沢山ある。
大事だとか大事じゃないとか、そういう事をこだわらない部分で
「感じる」というそもそもの大切さ。
大人になれば、そして何かを失えば、
その他の何かに手を出す事すら怖くなる。
そういう沢山の事を含めて、抱き締めてくれる力が
音楽にはあると改めて感じさせてくれました。
(勿論それは音楽だけではないけど)
淳之介役の稲葉友さんの微妙な下手さも味があって良かった。
とてもいい声だし、本当はとても上手なんだろうな。
何が「大丈夫」でどこからが「安心だ」なのか。
どうやっても抗えない事と、もしかしたら抗えるかもしれない事。
言葉とイメージと感覚、表現…。
静かな印象の中に、強くて前向きなメッセージを感じた作品でした。