SHIINBLOG

Liva's anything about...?

都内で活動中の本格派アコースティックユニットLivaealのブログです♪

ダンサー・イン・ザ・ダーク

フランス組曲』を観て、「抗えない無常・不条理」のようなものを

感じたので、久しぶりに『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を観ました。

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今まで数回観ましたが、その度に感じる事が変わります。

 

60年代のアメリカ。

セルマは女手ひとつで息子のジーンを育てながら工場で働いている。

彼女に対して理解と愛情を持つ人々に囲まれ

満ち足りた生活を送っていた。ただ一つを除いて。

彼女は遺伝性の病のため視力が失われつつあり、

ジーンも手術を受けない限り同じ運命を辿ってしまうのだった。

そのために、内職もしてジーンの手術費用を貯えていた。

が、ある日工場を解雇されてしまい、貯めていたお金まで盗まれていた…。

(2000年・デンマーク

 

ストーリーも作風も、好き嫌いが分かれる作品だと思います。

カメラワークが独特で、ドキュメンタリーっぽい映像です。

その雰囲気でミュージカル仕立てと言うのはかなり斬新です。

 

良心と弱みにつけ込む、本当に遣る瀬無い内容。

どこで嘘をついて、どこで本音を言うのか、

嘘と真実の境界線は…?

結局それは自分の問題に限ったものではないので、

主人公のセルマの選択にもどかしさを感じる人は多いと思います。

でも、無邪気ゆえの哀しさが胸に広がります。

 

ミュージカル仕立てとは言ったものの、

こんなに楽しくないミュージカルはないのではないでしょうか。

とは言え、私はこの作品は(繰り返し観ているし)好きです。

特にやっぱりビョークの歌声と表情には観入ります。

 

初めて観た時は先輩と一緒に観たのですが、

感動していた私をよそに、先輩は「全然面白くなかった」と切り捨てました。

数回観て、その先輩の気持ちも分からないではなくなってきました。

セルマは何を信じ、何を貫き、何を受け入れていたのか。

それらを考えると共に、変えられたかもしれない未来なのに、と

やまない「どうして?」がぐるぐると巡ります。

 

観る時は、自分のコンディションの良い時がいいかもしれません。

暗い気分の時に観たら、余計落ちます。

 


映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」日本版劇場予告