グランドフィナーレ
DVDのあらすじを読んで面白そうだったので借りた作品、
描写が個性的な『グランドフィナーレ』。
スイスの大自然の中で映し出される「静と動」が印象的な作品です。
80歳になり現役を退いたイギリス人作曲家フレッドは、
親友の映画監督ミックと共にアルプスの高級ホテルで休暇を満喫していた。
ある日、エリザベス女王の使者という男が彼を訪ね、
フレッドの代表作を女王のために演奏してほしいと依頼する。
ある理由からそれを断ったフレッドだったが、
ホテルの滞在客との交流を通し心境に変化が起き…。
(2015年・イタリア・フランス・イギリス・スイス)
場面展開や、抽象化している部分が多いので、
物語に入り込めない人は少なくないかもしれません。
何かを創り出すことは素晴らしい事だし、
その一つ一つに「ある思い」が存在する事は当然です。
作品は自分の子供であり、「その時の自分」でもあるのですから。
老いてからの感覚は勿論私には分からないけど、
複雑だったものを単純にしたいのかもしれないなと。
でも周りがそうしてくれない感じはあるんじゃないかなと
考えさせられました。
この作品を通して「老い」と言うのは大きな要素になっていて、
それを考えたり、感じたり、時にはちょっと共感したり…。
もう少し大人になって観た方が身につまされる思いは多いかもしれない。
そんな中でも、時々ハッとさせられる言葉があり、
そういうものに深いものを感じます。
いつになっても、「自分」しか分からない、
「今」しか分からない事がある。
それは老いも若きも変わらない事実なのでしょう。
最後の演奏シーンは圧巻です。