MILES AHEAD
今回も昨日に引き続き、実在した有名ジャズ・プレーヤーをモデルにした作品を。
今日は「ジャズの帝王」とも呼ばれるトランペット奏者、
マイルス・デイヴィスの映画『MILES AHEAD』。
一応伝記映画の体ではありますが、
サブタイトルにあるように5年間に着目してるので、
そんな印象はありませんでした。
1970年代後半の5年間、ミュージックシーンから完全に姿を消した
マイルス・デイビスは、慢性の腰痛に悩まされ、
ドラッグや鎮痛剤の影響から、自宅で1人すさんだ生活を送っていた。
そんなマイルスのもとに音楽レポーター、
デイブ・ブレイデンが強引におしかけてきて。
(2015年・アメリカ)
序盤は音楽がかかるまで結構時間が長かった感じ。
この時代はどんなジャンルでもやっぱりドラッグが
ついて回るんだな、と改めて思わされます。
マイルス・デイヴィスを元々知らないと、
良く分からない映画かもしれません。
(ある程度前知識がないと入ってこない部分が多い)
マイルス役のドン・チードルが渋く、特に声に味があって素敵。
“進歩のない音楽は退屈だ”という序盤の一言にはグッときたし、
まさかそういう言葉をマイルス自身が発していたとは思いも寄りませんでした。
先述しましたが、普通の伝記映画とは違って
彼の活動休止中の「5年間」に焦点を当てているので、
見方としてはある意味斬新でもあります。
そこから溢れてくる彼の人となりや、音楽に対する姿勢がまた興味深い。
展開にも意外性がありました。
最後の演奏部分は見応えがあり、それだけでも一見の価値ありです。