効く薬

効く薬

どんな薬を飲んでも　治らない

心の傷に効く薬は

時間しかないと　言うけれど

もうそれも　お腹一杯なのです

止まない痛みは　いつまでも

心を様々な角度から刺す

時間はむしろ　効力を失い

傷口は広がっていくだけです

思い出は優しいのでしょうか？

もう二度と動かないものは

どんなに叫んでも揺らがないと

知らなければいけないの

どんな薬を飲んでも　意味ない

心の傷は　場所を譲らず

時間が過ぎれば　その度に

痛みを助長していくのです

たらふく時間を　平らげて

心の傷は　増すばかり

飲んでも飲んでも　効きやしない

もう飲みたくも　ないのです

思い出は厳しいのでしょうか？

明日も生きる命ならば

どんなに叫んだら揺らぐものか

知らなければいけないの

その傷は治りますか？

跡は残っても　必ず

痛む時は痛いと

そう言えば　いいのです

時間が経っても　治らない

心の傷に　効く薬を

欲しがるうちに　ただ今を

生きる自分が全てだと

痛みも含めて全てだと

知らなければいけないの

どれだけこの薬を飲んでも

この痛みは治らないと

知らなければいけないの