人生は狂想曲(ラプソディ)
今週は最近のミュージカル作品を2作紹介します。
今回はベルギーとルクセンブルクの共作、
あまり馴染みのなかった国の『人生は狂想曲(ラプソディ)』。
ちょっと前から観たいと思っていた作品だっただけに、
がっかり感は否めませんでした。
吹奏楽欧州決勝コンクールの予選。
ベルギーのフランドル地方の楽団「サン・セシリア」は
ワロン地方の「アンナバン」と同点1位になるも、
ソリストのウィリーが演奏直後に心臓発作で亡くなってしまう。
楽団員のエルケらはウィリーの死を悲しみ、意欲を失う。
しかし、彼の死を無駄にできないと、
メンバーたちはアンナバンの天才トランペット奏者ユーグを
スカウトしようと思い立つが…。
(2014年・ベルギー・ルクセンブルク)
ブラスバンドがメインの物語なのに、
わざわざミュージカル調にする理由が分かりませんでした。
どうせならブラスバンドの音楽に集中させればいいのに…。
音楽観の違いなのかもしれないけど、
時々場面や詞と曲調がミスマッチに感じたところも
少なくありませんでした。
「音楽をしたい」というだけも簡単なことではないのに、
「“自分のやりたい”音楽をしたい」という気持ちは
どれだけ厳しい道なのかを感じました。
でもやっぱり「楽しく見せたい映画」なのか、
「考えさせたい映画」なのか、位置づけがよく分かりませんでした。
最終的に伝えたいものの芯に欠ける印象を受けます。
話の大筋はすぐ見えるけど、展開があまりに突拍子なさすぎるし。
ブラスバンドの音楽はとても良かったです。
それが良かっただけに、すごくもったいなかった作品でした。