物置のピアノ
今月は東日本大震災の月でもあったので、
それに関係した作品『物置のピアノ』を鑑賞しました。
ちょっと遅くなりましたが、ぎりぎり3月中に。
実に素朴な背景描写が、震災後のリアルな感じを表してると感じました。
東日本大震災から1年が経過した2012年の夏。
東京の大学に通っていた長女の秋葉が突如として帰省してくる。
器用で人当たりのいい姉とは対照的に不器用で内気な
高校3年生の妹・春香は、彼女の帰郷に動揺。
物置にあるピアノを弾いては、ざわつく心を落ち着かせていた。
秋葉との確執などを経て、彼女の中である変化が生じる。
(2014年・日本)
隠れてピアノを弾く姿にとても共感出来た反面、
お姉ちゃんのちょっと荒んだ感じも良く分かります。
問題っていつも単純ではないと言う事を色んな面で実感しました。
主役の芳根京子さんの朴訥としてるんだけど凛としている印象が良かった。
お祖父ちゃんの存在がそこかしこでとても効いています。
褒められたり、秘密事を持ったり、親とは確実に違う
特別な存在なのがお祖父ちゃんやお祖母ちゃんだと思うし、
私自身もそうだったので思い出してほろりとしました。
劇中に演奏されている曲も優しくて沁み渡る曲が多いです。
この映画では震災だけど、どんな中であっても、
音楽が助けになるというのは本当に光だと思う。
心痛む風評被害や兄弟姉妹関係のいざこざなど、
問題は山積みなんだけど、事実って得てしてそういうものだし、
だからこそリアルに伝わってきました。
切なくて苦しいんだけど、温かさや前向きさが残る作品でした。