歌い手魂其の六十三・宮沢和史
前回、矢野顕子さんとのデュエット曲を紹介したので、
今回は2014年に解散した『THE BOOM』のボーカリスト、宮沢和史さん。
個人的に、何かと思い出深い方です。
しっかりした響く低音と情感豊かな声が素晴らしい。
THE BOOMが沖縄出身のバンドだと思っている人は多いだろうし、
私自身そう思っていました(実際は山梨です)。
1986年に結成したTHE BOOMは1989年にデビュー。
先述したように沖縄色が強い印象がありますが、
バンドとしては、スカ→沖縄→ブラジル→歌謡曲、と
面白い遍歴を辿っています。
1994年に宮沢和史さんとジャマイカのアーティスト、
ヤミ・ブロさんが『MIYA&YAMI』というユニットを組み、
作った“神様の宝石でできた島”はとても素敵な曲です。
私は高校の時、演劇部だったんですが、
演劇の大会で公演した作品の挿入歌に“からたち野道”がありました。
THE BOOMではなく、他の方がカバーしたバージョンだったので、
オリジナルを聴くまでずっとTHE BOOMの曲だとは知りませんでした。
それにしても、私が聴いた“からたち野道”は
どなたが歌っていたんだろう。
女性で、とても穏やかなのほほんとした歌い方の人でした。
“中央線”も思い出の曲。
多分ですけど東京の中央線なんでしょうが、大阪にもあったし…
そういう固有名詞を使われると、やっぱり弱いですw
この曲は矢野顕子さんもカバーしていますが、
それはそれは、全く違う曲に仕上がっています。
2006年には『GANGA ZUMBA』を結成。
2010年リリースの『GO!GO!7188』のYUUさんとのコラボ曲、
“蒼い夕陽”は今回初めて聴きましたが、
スカと歌謡曲の組み合わせは個人的にしっくりきます。
そしてまさか石川さゆりさんとも共演していたとは…。
THE BOOM / 暁月夜~あかつきづくよ~ feat. 石川さゆり
私も色んな音楽聴くし、歌うし、
「だからって何だってんだ」と言う気持ちを
ちょっと払拭してくれました。
最後はTHE BOOMの代表曲であり、
私が彼らの曲の中で一番好きな曲、“風になりたい”。
我々Livaealでもカバーさせて頂いています。
曲は、自分の手から離れた時に、
「誰かの曲」にもなりえるものです。
私にとって“風になりたい”は、特別な曲。
宮沢さんが作ったその時には、まさか思いも寄らなかった様な、
そんな素晴らしさを持った曲に、なったりするのです。