戦場のメロディ
今週は子ども達に焦点を当てた映画を紹介します。
今回は朝鮮戦争時代の韓国の孤児院を描いた『戦場のメロディ』。
かなりの感動作です。
実在の合唱団から着想を得た感動的な物語です。
朝鮮戦争が激化していた1952年。
戦友と家族も亡くして深い悲しみに沈むハン・サンヨル少尉に、
最前線から釜山への転属が決まる。
釜山に着くや、彼は戦争で親を失った子供たちの面倒を見る任務に就く。
音楽が得意なサンヨルは、チンピラに利用されて
悪事を働いていた彼らに歌を教えて児童合唱団を結成。
練習を重ねるうちに、子供たちの歌声にリズムとハーモニーが生まれ、
笑顔を浮かべるようになる。
やがて戦地への慰問公演を行うことが決まるが、
そこは命の保証などない最前線だった。
(2015年・韓国)
子供の頃は真っさらなのに、その純粋さを持って憎しみを覚えれば、
それはまたさらなる憎しみの連鎖を呼んでしまうという事を
改めて感じさせられました。
対立する二つの関係だけど、同じ歌を歌っているかもしれないのに…。
学校だったか、合唱団だったか、よく覚えていないけど、
初めて皆で和音を奏でた時の嬉しさを思い出しました。
子供達が抱く葛藤を、ハン少尉のように正々堂々とぶつかって、
示してくれる人が、きっといつだって必要なんでしょう。
そして、それは子供だけに関わらず大人だって、
怒りや悲しみなどの負の感情をぶつける方法や
受け止めてくれる存在が必要なんだと実感しました。
また、何よりお兄ちゃんのドングが強くて優しくて逞しい。
妹を守りながら必死に生き抜いていこうとする様は、
もう涙なしでは観れませんでした。
悲しいけれど、熱くて温かい思いが胸に込み上げてくる、
とても素晴らしい作品でした。