ユメウツツ
ユメウツツ
夢と現の燻りの中で
あの人笑った記憶が近い
私はどんな世界を生きている?
境界線を取り戻せない朝
一緒に過ごした日々は遠く
あの人は離れていくだけなのに
私はどうして夢に見たんだ
またいつかあるかのごとく
夢の中では満たされていた
あの人が笑っているそれだけで
私はそれを望んでいるのか
もう二度と訪れないのに
醒めてゆく夢の後に
あの人の夢にもしかすると
私もそうして出ることだって
あるんだろうかとふと夢に思う
あの時すぐそこにいたあの人が
笑いかけてくれたあの人が
名を呼んでくれたあの人が
傷付けていまったあの人が
現実が形を取り戻せば
二人はまた距離を保って
何もなかったことになるだろう
夢はまだ私の中にあるだけ