『月ノ花』SELF LINER NOTES
そしてそのデモはボーカルとメトロノームのみ、バックには楽器が一切ない状態でした。
ただ歌は力強く、前向きな生きることへの讃歌と「太陽」たる「あなた」への献身が示されていました。
アレンジを考えるとき、ローリングストーンズのようなロックのニュアンスを感じとり
マイナーコードは使わずギターらしい転調をしながら
全てメジャーコードにすることで曲の力強さを表現しています。
余談ですがプレ・シングルの収録されたバージョンは
初めてスタジオで合わせたときのテイクでして違いが面白いです。(Dee)
人間はもちろんのこと、命あるものは全て自分だけでは生きていけません。
路端に凛と咲く花を見て感じた生命力と、それでも何らかの力を得て存在している事実…
そこから詩と曲が一気に湧き出て来ました。(Yukuko)
見えている景色は違うのだろうと考えてます。(Dee)
Livaealの第一作目。色んな場所に移り住み、東京に来たばかりの当初。
歌詞の原型は東京の前に住んでいた城崎で書いたものです。
場所によって見える景色は違うし、同じ満月でも以前見たものと今見ているもの、
そして次に見えるものは違う。
変わるからこそ、大切なものは忘れないでいたいし、
前を向いて進んで行きたいものです。(Yukuko)
3.twinkle
スタジオで「曲作ってみようか」というノリから始まりました。
このとき汰良は今まで作ってきたどの曲とも違うタイプの曲を歌いたいと感じていたようでした。
また詩のアイデアもスタジオにいるとき出て、
そのアイデアを聞きながらボサノヴァしたのを覚えてます。
2人のアイデアがすごくハマったいい感触がある曲です。
またアルバム中最も楽器が加えられたアレンジがされています。(Dee)
スタジオで合わせた時に「南の島の夜の浜辺で戯れる恋人たち」の絵が浮かんできました。
本当はもう少し物語があったのですが…
今までにない緩い感じの曲をやりたかったのです。(Yukuko)
この曲はLivaeal結成前から作っていたとても思い入れのある曲です。
思い入れがありすぎてとても説明はし難いくらいに…。(Yukuko)
5.Solitary
アルバム中、最もやさぐれた(笑)曲です。こちらもプレ・シングルに収録されてますがバージョン違いです。
当初はプレ・シングルと同バージョンを収録するつもりでいたのですが、
レコーディング終盤にふと不思議にSolitaryを録るのに相応しい夜があって、
先に録ってあったボーカルのテイクに合わせて、ワンテイクで録りました。
コード進行やらギタースタイルは、やっぱり自分らしさがよく出ていると思います。
詩の内容も汰良が以前やってた音舟の詩の内容とかに近いですかね。(Dee)
Deeからタイトルと曲を受け取り、そこから歌詞付け。
Solitaryという聞きなれない言葉は「孤独な・寂しい」といった意味で、
そこから夜な夜な酒を煽って孤独を紛らわす女をイメージして書きました。
やさぐれ感はその時の自分の状況もあってのことですが…(Yukuko)
今まで住んだ場所と東京の大きな違いは人の多さです。
あまりにもたくさんの人たちが同じような日々を繰り返し、
不満を抱えつつもそんな毎日をこなすことに精一杯で…
それが「普通」だということに対しての違和感はどうしても拭えません。
空には太陽があって、その光の下で生きることは決して特別なことじゃない。
でも空は曇ったままで光を浴びることは特別なことだと思い込まされているような
現代の日本社会に対しての思いも含め。(Yukuko)
7.美しい花
美しい花は汰良が友人に向けたメッセージを歌った曲です。
この曲はスペシャルテイクとしてバンドアレンジが施されてます。(Dee)
友達の結婚の報告を受け、その時の嬉しさのあまり「私が曲を作って歌う!!」と宣言…
したものの、一体何をテーマにしたらいいのか
(“結婚”といってもそこから思い浮かべることは本当にたくさんあって)すごく悩みました。
結婚式で歌われる曲を聴きあさり、悩みに悩んだ挙句、
ただ純粋にその友達に私が向けた思いを曲にしました。
今年結婚した彼女ですが、先月女の子を出産し、
歌詞の通り“素晴らしい種”が新しい花を咲かせたのです。
「おめでとう」と「ありがとう」の気持ちを込めて…(Yukuko)