SHIINBLOG

Liva's anything about...?

都内で活動中の本格派アコースティックユニットLivaealのブログです♪

スワロウテイル

先日『歌い手魂』でCharaさんを紹介し、

その中で『スワロウテイル』についても触れたので改めて観ました。

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近未来の架空都市“円都(イエンタウン)”を舞台に、

そこに住む娼婦のグリコ(Chara)と身寄りのないアゲハ(伊藤歩)、

グリコの恋人のフェイホン(三上博史)を中心として繰り広げられる物語。

(1996年・日本)

 

この映画が公開されてちょうど20年が経ちますが、

その世界観は今でも色褪せないどころか、

尚新鮮に映るのが本当に素晴らしい作品です。

日本語と中国語と英語が微妙に混ざり合う

あのニュアンスがとても独特で、

まずその混沌とした世界観を最初から見せつけられます。

 

日本人がごちゃまぜの外国語を話し、外国人が流暢な日本語を話す。

そのギャップが当時は新しくも感じられたものだけど、

実際そういう事も珍しくなくなっています。

そういう人たちが抱く、自分のアイデンティティとしての国、

と言うのは、きっと現在の方が身近に感じられるかもしれません。

 

混在・矛盾・哀愁、秩序と無秩序、規律と無法地帯…

あらゆる場面でそういう色々な事を思わせる『スワロウテイル』ですが、

そんな一見相容れない状態が実は背中合わせである、と言う事、

架空の都市として作られたこの作品が、

実は現実の中にあり得るその断面断面でもある、と言う事を実感します。

 

今月“YENTOWNBAND”として新アルバムをリリースするCharaさんが、

インタビューの中で「(スワロウテイルは)その時に合っていた」と

いう様な事を仰っていましたが、

現代だからこそそれが決してあり得ない世界ではないんだと言う事を

考えさせられました。

 

俳優陣も豪華で、それぞれの個性にとても合ったキャスティングです。

勿論今でもより一層の深みを持って活躍されている方々が多く、

それぞれ紹介したいところなのですが…

その中でも面白かったのは桃井かおりさん。

彼女の演技のぶれのなさを改めて感じたし、

彼女の存在が“日本”と“YENTOWN”のギャップを感じさせてくれる

重要な役割を負っていたと思います。

 

そしてこの映画に欠かせない音楽ですが、

個人的にもとても思い入れがあるし、映画同様、全く色褪せません。

YENTOWNの娼婦グリコだからこそ表現できるものがあったと思うし、

それは映画・音楽双方に相乗効果でその世界観を深くしています。

(音楽映画はそういうものであって然りなのですが)

 

素直にこの映画を観て感じる事、最初に観て感じていた事、

その上で感じるありとあらゆる感情や思いが渦巻いています。

これからも、見続けられて欲しいと思える作品の一つです。

 

YENTOWNBANDの“My Way”に載せた映画の切り貼り動画。

これを観るだけでも色んな情景が蘇ります。


Yen town band -My Way