警笛

警笛

いくら目を凝らしても

そこには何も映らない

同じ様な画面が　同じ様に

ずっと　繰り返されるだけ

悲しさを紛らわす様に

遠いどこかの画面を眺める

なのに何故　悲しさは募るの？

いくら目に見えないものを

そこに求めても意味ない

同じ様な情報が　同じ様に

ずっと　繰り返されるだけ

苦しさを忘れるように

身にもならない情報を追う

そしていつも　苦しさは消えない

警笛が鳴っている

引き込まれるなと　声が聞こえる

溺れかけた　私の手に触れる

警笛が鳴っている

騙されるなと　誰かが言っている

失いかけた　私の耳に響く

恐れから目を逸らす様に

ただ光だけを　闇雲に求めて

そこに落ちた影から

ずっと　顔を背けていた

警笛が鳴っている

信じ込むな　その偶像を

忘れかけた　私の記憶が蘇る

警笛が鳴っている

侵されるな　偽りの世界に

止まりかけた　私の胸が震える