ジャージー・ボーイズ
ちょっと前に知人に紹介されてずっと観たいと思っていた作品
『ジャージー・ボーイズ』をようやく鑑賞しました。
イーストウッド監督とか、元々ミュージカル作品だったとか、
それもそれでポイントの一つですが、単純に良かったです。
ニュージャージー州の貧しい町で生まれ育った4人の青年たちは、
その掃きだめのような場所から逃れるために歌手を目指す。
コネも金もない彼らだが、天性の歌声と曲作りの才能、
そして素晴らしいチームワークが生んだ最高のハーモニーがあった。
やがて彼らは「ザ・フォー・シーズンズ」というバンドを結成し、
瞬く間にトップスターの座に就くが…。
(2014年・アメリカ)
元々ブロードウェイのミュージカルだったのを、
クリント・イーストウッドが映画化した作品です。
1960年代に『ザ・ビートルズ』と並ぶほどの人気を誇っていた
『ザ・フォー・シーズンズ』をモデルにした映画。
私はザ・フォー・シーズンズはほとんど知りませんでしたが、
この頃の音楽は好きなのでその雰囲気が出ててとても良かった。
フランキー・ヴァリの声が独特でクセになるし、
彼らが奏でるハーモニーも聴き応えがあります。
ちょっと前に伊坂幸太郎さんの著書「死神の浮力」を読んで
その中に“シェリー”をいう曲がキーになって出てきたんですが、
その“シャリー”が流れた時は自分の中で二つがリンクして
ちょっと感動しました(こういう時は単純に嬉しい)。
音楽で成功した人をモデルにした映画は結構観ますが、
どうしても同じような穴に陥る事が多いんだなと実感。
特にグループでの不和や衝突となると、
自分だけじゃどうしようもできないから本当に難しいものです。
そういうシーンを観る中で、人としての“余裕”ってとても大切だし、
それが失くなる瞬間はどういう所なのかが良く分かる気がしました。
「うまくいかなかったのは誰のせい?」
何かに躓いた時に考える事ですが、
「私があの時こうしていれば」と後悔と自己否定になる場合も
悲しいかな往々としてあります。
それ以外、考えられなくなる苦しさも分かります。
ただ大事なのは、その自己否定さえもいつか自分の力で
乗り越えなきゃいけないものなんだと痛感しました。
最後の歌唱シーンはグッと胸に込み上げてくるものがあり、
目頭が熱くなったとても良い作品でした。
映画『ジャージー・ボーイズ』予告編(ロングバージョン)【HD】 2014年9月27日公開
この映画をきっかけに『ザ・フォー・シーズンズ』を聴こうと
レンタルCDショップに行ったら置いてなくてがっかりしました。
今度他の店にも探しに行きたいと思います。