優しい傷
優しい傷
刺さるような日差しから
私を守るように
君はさり気なく陰側に
私を導いてくれた
心地良さに身を委ねられず
無理矢理に微笑んだ
時として人は 与えられた優しさを
無下に拒んでしまう
それが残酷に映るのは
悲しさ故のことだからでしょうか
君が差し出してくれた物は
あまりに優しすぎたから
「こんなの要らない」と突き返した
痛々しい 私を許して
化膿した傷口から目を逸らし
「大丈夫」と言うことが
まるで強さの証だと思っていた
取り違えた強さは
信じることを拒むことで
見捨てられる前の防御壁だった
君が泣きながら流した血が
あまりに悲しすぎたから
「痛いよね」と抱きしめた
許された二人が 生まれた
君から教えられた全てが
あまりに優しすぎたから
繋ぎ止めることが出来なかった
不甲斐ない 私を許して
いや いつでも
許さないでいて
薄く残った傷跡みたいに
あなたの思うままに
どこかで私を感じていて