【ギター】Ulf WakeniusのARIA ギター:「エレキギターなら高価なギターでなくてもいい音は出る」
どもdeeです。
結論から話します。
「エレキギターなら高価なギターでなくてもいい音は出る」ってところで。
ARIA PRO Ⅱの記事を書こうとしてる過程でこんなユニークな
ギタリストのことを書きたくなったので本記事の前菜に。。。
ウルフ・ワケニウス(Ulf Wakenius)
スウェーデン出身、1958年生まれでベテランですが、
2000年近くになるまでヨーロッパ、南米で活動していたため
世界で知られるようになったのはそれ以後となります。
2000年以後はニューヨークシーンのジャズマンと
数々の競演を果たし知名度を上げてきています。
もともとオスカー・ピーターソンのグループに
ジョー・パスの後釜として抜擢されたことで
メジャーフィールドに立ちました。
どんな人かと言えばこんな感じのおっちゃんです。
注目してほしいのは彼の持っているギターです。
真っ黒のレスポールモデル。
ヘッドには張った後に弦を切っておらず
さらにヘッドやピックアップの間には埃がたまってますw
この辺に埃がたまるってことは弦を変えてない???
世界的に活躍するギタリストなのに随分ラフですね(^_^;)
このギター本人の弁では来日のときに買った
ARIA PRO Ⅱのギターだそうです。
そのお値段なんと中古で100$。1万円くらいです。
さてこのギターの詳細をちょっと探ってみたました。
…が型番など詳しいデータはなかったので
ここからは推理めいてきます。
見た目はレスポール スタジオっぽい真っ黒なレスポールに見えます。
しかしARIA PRO Ⅱとしてレスポールのコピーモデルは
1980年代後半以降発売してないと思います。
ARIA PRO ⅡにはレスポールっぽいPEなるモデルがありますが、
形状じゃ通常のレスポールと異なります。
特にヘッドは特徴的でこんな形をしてます。
レスポールスタジオっぽいPEもどうやらあったようですが、
やはりヘッドの形はこの形でした。
ではこのギターの正体は…
ヤフオクでそれっぽいギター出品されてました。
ちょっとこのギターの詳細はわかりませんが
木目が出てないことを除くとブラックパーツでバインディング無しなんで
エアロスミスのショーペリーモデルに似てますかね。
ワケニウスが使っているのは金属パールはゴールドだし
(交換してるかもしれないけど)ピックアップも違います。
ワケニウス使用ギター=Blitz(ARIA PRO Ⅱの姉妹ブランドで中国製の廉価版)かと
思いましたがちょっと自信なくなりました。
ボジションマークも違うし。
もうひとつはヘッドにもメーカー名が塗りつぶされていることから
ボディのカラーリングはリフィニッシュであり、金属パーツが金色で考えると
ARIA PRO Ⅱがギブソン レスポールコピーを作っていた時期の
Japanヴィンテージでそれを黒にリフィニッシュしPUも交換したのかなー。
その場合、ヘッドの形状から70年代のものの可能性もあります。
・・・がたぶん値段的に実はBlitzなんでは?と思ってます。
どなたかこれ以上の詳しい考察があればコメントください。
中途半端なギターかもしれないのですが
彼から出てくるトーンは極上のジャズギタートーン。
ワケニウスはギブソンなどの高級モデルも持ってるようなので
高いギターの音を知らないわけではないようですが
過酷なツアーにはこのギターの頻度が高いようです。
ライブでは特にエフェクターも通さず、ギター→アンプだそうです。
彼のことを知ったのはメセニーとの競演ですが、すばらしい音色。
この競演をしたとき、ワケニウスのギターをみてメセニーは
あきれ返ったとか…でも本当にいい音。
最後にその競演動画を貼り付けておきます。
楽器のスペック的な側面に縛られてる人は多いように
見受けられますが、「弘法、筆を選ばず」で出したい音が
イメージできていれば「道具」であるギターはなんでも
極上の表現ができるのかもしれません。
※追記①
ブラックでリフィニッシュされただけで実際にレスポールスタジオを
模したギターではなくもっと古いモデルかもしれません。
これはGabanの197x年のモデルらしいですが
今良くみるピックアップとは違うものが搭載されてます。
そしてWakeniusのギターに搭載されているギターのピックアップに良く似ている?
どうもマクソンは70年代ピックアップ制作していたようで
その製品っぽいです。グレコのギターにもよく搭載されてたものらしい??
※追記②(2020/7/8)
コメントよりモデル名特定に有力な情報がありました。
Aria Pro ⅡのPE-110というモデル。
1977年のAria Pro Ⅱのカタログ左上に掲載されているギターです。
PEといえば現在も販売されているAriaProⅡのオリジナル代表機種でありますが
77年のカタログでは、ストラトやレスポールスペシャル的なデザインのギターも
全てPE型番になってます。
PE-1000がは発表されたのが、1977年なので
良く知られたPEが発表される前のモデルのようです。
もうちょっと解像度の高い写真で検証していきましょう。
これはもうレスポールスタジオ!?
ワケニウスのギターデザインとよく似てます。
ネックもドット。PUデザインが違うかな?
色違いの個体。ヘッドの形が現行PEの独特な形ではなく、
ギブソンに近い形状をしてます。
あとはピックアップの形状ですが、
上位機種のPE120/PE130のリアに搭載されているのが
追記①で記載したピックアップと似た形状をしてます。
ネット上でPE-110が$120で販売されていた形跡も発見w(にしても安い)
これはかなり真実に近づいた?
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