歌声にのった少年
マレーシア映画『タレンタイム』を観た後深く感銘を受け、
今度はこれも初めてのパレスチナ映画『歌声にのった少年』を鑑賞。
以前から気になっていた作品ですが、
期待していた以上にとても良かったです。
スター歌手になり世界を変えたいと夢見る少年ムハンマドは、
姉ヌールや友人とバンドを結成し、街中で歌声を披露していた。
弟の才能を信じるヌールは、カイロのオペラハウスに出るという目標を掲げる。
結婚パーティーなどで歌うムハンマドの美しい歌声は、
人々を次々ととりこにしていった。
そんな矢先、ヌールが病気でこの世を去り…。
(2015年・パレスチナ)
実話を元にして作られた映画で、深く感銘を受けました。
自分の見識の浅さと共に、音楽の可能性を教えてくれます。
まず、子供はとても非力なんだけど、無敵だということ。
あまりに澄んだ真っ直ぐすぎる瞳の強さに
ただただ引き込まれました。
子供時代から周りに「黄金の声」と言われるムハンマドの声は、
映画の中でもとても美しいです。
子供たちの表情の豊かさにも観入りましたし、
個人的にカマール先生の言葉が響きました。
「歌で訴える」その言葉の重みを感じさせられます。
そしてその「歌で訴える」と言う事に命をも賭した人がいる、
それを知るだけでも得も言われぬ思いに包まれました。
本当に伝わってほしい歌というのは、
こういう歌だよなぁと心底思います。
マレーシア映画と同じく、文化や歴史・現状などなど…
今まで映画でもほとんど触れた事のない地域の作品だったので、
世界の広さを感じると共に、自分の興味の広がりも感じています。
『タレンタイム』より一層民族音楽色が強い映画で、
民族音楽が持つ独特の魅力にも取りつかれている私です。