キセキ―あの日のソビト―
今回も機能に引き続き、新緑の季節に爽やかな映画を。
今も活躍中のバンド『GReeeeN』をモデルにした『キセキーあの日のソビトー』。
最近個人的に松坂桃李さんの株がグイグイ上がってるので、
彼の歌声がとても新鮮でした(笑)。
厳格な父の反対を押し切って音楽の道に進んだジンだったが、
なかなか思うようにいかない。
あるとき、父の期待に応え歯科医を目指していた弟のヒデと仲間に
音楽の才能があることに気付き、彼らに自分の夢を託す。
そして、歯科医を目指しつつ音楽も諦めたくないということを
父に言い出せない兄弟は、顔を出さずにCDデビューしようと考える。
(2017年・日本)
『GReeeeN』が歯医者さんで顔出ししない、というのは知っていたけど、
その実際のところ(一部でしょうが)を知って、
「へぇ、なるほどー」と納得しました。
にしても、お兄さんの器が大きい、と思うのは私だけじゃないはず。
音楽ってやっぱり“しがない趣味の一つ”と言われているのは
今も昔も変わらない事で、むしろ今の方が
よりそういう感覚が強いのかもしれないと思うと
とても複雑な気持ちになります。
元々はそれこそ純粋な“お遊び”から始まったのかもしれませんが。
ポップスという枠組みで、音楽を「ビジネス」として作る事の難しさを
最初に提示した上での展開はとても良かったです。
それにどんな音楽ジャンルであったにしても、
「受け入れられる音楽」を作る才能があった事実は変わらないのですし。
そしてそれと歯医者さんを両立させるのは、
本当に単純にすごい事ですから。
とても爽やかな印象が残る映画でした。